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僕の夏休み 1
2010-05-07 Fri 08:46
七月某日。
夏休みを前日に控えた解放感で清々しい気分なハズの放課後。
俺は憂鬱な気分で職員室へ続く廊下を歩いていた。
すれ違う女子生徒達の晴れやかな笑顔が眩しい。
明日から待ちに待った夏休み!!
先月付き合いだしたばかりの年下の彼女と甘酸っぱーい夏の思い出でも作っちゃおうかと思ってた・・・ハズなのに。

「失礼しまーす」
職員室に入ると一番奥の席の白衣姿の若い女教師が嬉しそうに手招きをした。
俺を呼び出した張本人、化学教師の森山だ。
「こっちよ」
俺は無言で会釈をして呼ばれるままに森山の机の横に立った。
森山が机の上に広げたファイルに目を通す。
「2年A組井上陸生。・・・6点ねぇ」
「・・・はい。スイマセン」
条件反射で謝ってしまう自分が情けない。
そう、憂鬱の原因はこれだ。
俺は化学の前期中間テストで100点満点中6点という恐ろしく程度の低い点数を叩きだしたのだ。
そのため「夏期特別補習」という何とも情けない夏休みの予定が発生してしまった。
心当たりのある赤点仲間の奴らが呼び出されていないところをみると、赤点の中でもボーダーラインがあるのだろう。
夏休み明けの期末テストで取り返しのつかないレベルの点数の奴が呼ばれるらしい。
小さいころから勉強という勉強が苦手で、いつもギリギリのところでクリアしてきた。
しかし今回はタイミングが悪かった。
こともあろうに試験前日に冒頭に説明した年下の彼女、1年生の女子に告白されたのだ。
それもかなり可愛い。もちろん二つ返事で俺OK。
浮かれて勉強なんか手に付かない状態で試験に臨んだ。
その結果の惨敗。
俺に後悔は無い。
「なにか言い訳でもあるの?」
森山が上目づかいで微笑む。
白衣に眼鏡が少し色っぽい。
男子生徒にひそかに人気があるのも頷ける。
なんてくだらないことを考えてたら小さなノックと共に職員室のドアの開く音がした。
次の補習仲間がやってきたのだ。

「失礼します」
声の主を見て俺は思わず姿勢を正した。
こちらに向かってくるのは隣のクラスの問題児。
入学直後に3年の不良グループを一人で潰した喧嘩の達人。
噂では暴走族の総長だとかヤクザの娘だとか言われてる我が高校の超有名人、藤野光子だった。
やっぱり不良=勉強ができないの図式は成り立つものなんだな、と妙に納得してしまった。
藤野はちらりと俺を見ると静かに横に並んだ。
長い黒髪に攻撃的な漆黒の瞳。
何とも言えぬ威圧感。
これが不良のオーラってやつか。
横目で見ると肘に大きな絆創膏を貼っている。
どこかで一暴れしたのだろうか?
「2年B組、藤野光子さん。9点ね」
森山が藤野の点数を確認する。
あれ?俺の時は敬称なかったよね。
これが不良の成せる業か。
「はい。補習、よろしくお願いします」
そう言うと藤野は深々と礼をした。
カタギには礼儀正しいのか。
一流の不良は筋が通っていらっしゃる。
「藤野さん、俺A組の井上でーす。よろしくね」
思い切って挨拶してみる。
さらに俺的第一印象ナンバーワンの笑顔のオマケつき。
こういうのは最初が肝心だ。
「・・・・あぁ」
藤野はちょっと驚いたような表情をして小さく返事をした。

「先生、補習の生徒は何人いるんですか?」
俺は率直な質問をしてみた。
こういう仲間は多いに越したことはない。空しい気分も少しはまぎれるってものだ。
「あと一人よ。10点未満の生徒しか集めてないから。今回は簡単なハズだったんだけどね。3人もいることに先生びっくりよー」
そうですか。厳選された馬鹿3人ってやつですか。
驚くほどのバカでスイマセンね。
俺が開き直ろうとしたその瞬間、勢いよく入口のドアが開いた。
「遅れてスイマセン」
良く通る聞き覚えのある声がした。
振り返って俺は目を疑った。
そこに現れたのは最も補習という言葉から程遠い人物だったからだ。






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小説始めました。タイトル「下校時刻は守りましょう」
普通の高校生たちのグダグダした日常をだらだらと書いていきたいと思います。
ちなみに陸生たち高校は2学期制です。
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